サービス付き高齢者向け住宅は看取りもしてくれる?看取り介護とは
高齢化社会が進む現在、シニアマンションの利用が注目されています。サービス付き高齢者向け住宅であり、介護士や看護師が生活空間に存在するので安心です。若干のサポートを必要とする、低介護度のかた向けの住宅ですが、近年では看取り介護も進んでいます。看取り介護が必要な場合、ぜひ候補にしてみましょう。
看取り介護とは
死が迫っているかたにたいし、尊厳を保つことを一番に考えた生活支援が看取り介護です。精神的負担をなくすことが目的となり、医療的な延命措置はおこないません。人間として穏やかな最期を迎えることをサポートします。
ターミナルケアとの違い
ターミナルケアは、死の間際にできる限りの痛みや苦痛を取りのぞく医療行為です。しかし、看取り介護と同様に延命措置が目的ではありません。あくまで、安らかな最期を迎えるためのサポートです。
看取り介護と同じく人間の尊厳を重要視したケアですが、看取り介護とは異なります。看取り介護は、精神的なケアや身体の清潔維持、食事の管理がメインになります。ターミナルケアと看取り介護の違いは、痛み止めの薬や点滴などを使用する医療行為の有無です。
エンゼルケアの重要性
エンゼルケアとは、看取り介護のなかで死の直後に行うケアです。全身の洗浄や洗髪・着替えをおこない、綺麗な状態で旅立つ準備をします。口のなかや、目・鼻までケアをし、髭剃りや化粧などもていねいに施します。
最後まで人間としての気持ちに寄りそうことこそ、看取り介護のあるべき姿です。また、家族の心のケアにもエンゼルケアは必要とされます。できる限り自然な姿の故人と対面してもらうことで、心の整理をする時間にもなります。故人を偲び、お別れの準備にむけてとても大事なケアです。
サービス付き高齢者向け住宅での看取りは可能?
今まで看取り介護は、介護施設や病院でのケアが一般的でした。そのため、サービス付き高齢者向け住宅で、看取り介護ができる割合は4割弱の現状です。しかし、高齢化社会にともない徐々に対応住宅が増えています。ここでは実際に行なうケア内容を紹介します。
身体的ケア
生活に必要なことすべてを行います。全身の清潔維持や排せつケア、栄養管理などが基本です。不快感なく暮らせることや、身体的不調がさらに起きないことに気をつけます。たとえば肌のトラブルやケガ・熱中症など、生活環境のケアで防ぎます。
さらに、体位変換をおこなうことで、体の痛みをできる限り緩和します。また、室内の清掃やシーツ交換・巡回もおこなうので、住居としての居心地のよさが特徴です。
精神的ケア
たとえ会話ができない状態であっても、声がけをすることで心の穏やかさを保ちます。まめなコミュニケーションは、人間としての尊厳にとても重要です。また、手を握ったり、身体をさすったり、マッサージすることも積極的です。
手の感覚やぬくもりは安心感がうまれるので、精神的負担が軽減します。また、住居としてプライバシー保護を徹底しているので、周りの目が気になりません。少しでも、わが家のような感覚で過ごす工夫もできます。たとえば、好きな音楽を流したり、見える場所に癒されるものを飾るなど、心の豊かさを失わないようケアします。
家族へのケア
家族にとって看取りはとても悲しいことなので、そちらへの配慮もかかせません。エンゼルケアはもちろん、できる限りの要望を聴くことで心と向きあいます。場合によっては、ショックから立ち直れるようにグリーフケアを行うことも可能です。
入居者本人だけではなく、家族にまで意識を向けられる対応力は、とても頼りになるでしょう。
看取りができるサービス付き高齢者向け住宅の特徴
現状ではすべてのサービス付き高齢者向け住宅が、看取り介護をしていないので注意が必要です。看取り介護は、条件をクリアした施設のみ対応可能とされています。ここでは、看取り介護ができるサービス付き高齢者向け住宅の特徴を解説しています。
医療体制への配慮
大きな特徴は、常勤看護師と24時間体制で連携していることです。看護師がいることで、ターミナルケアの対処も可能になります。より傷みや苦しみを抑えることができるので、看取り介護と連携しながら穏やかな日々を過ごせるでしょう。
看取りの指針
看取りに対して指針を定めており、入居者や家族に同意を得たうえで看取り介護を行います。また、定期的に指針を見直し、心によりそった改善をおこなっているので安心です。介護・看護・相談員など、専門的な目線で管理されている指針は選ぶポイントになります。
場所や人材の確保
看取り介護の対応は個室でのケアが基本とされています。サービス付き高齢者向け住宅の場合、住まいであり個室が前提です。よりストレスなく過ごせるうえ、自分だけの空間を作れます。また、看取り対応をするには職員に研修が必要です。
専門知識がある職員が充分なケアをすることで、離れて暮らす家族も罪悪感がうまれません。
まとめ
看取り介護を自宅で行うと、本人はもちろん家族の不安が発生します。心身ともに疲弊し、人間としての尊厳を保つことが難しくなるでしょう。本人と家族のためにも、看取り介護が可能な施設でサポートを受けることがおすすめです。
吹田ではシニアマンションが多数存在します。ぜひ、看取り介護が可能なところを探してみましょう。最後まで思いやりのある生活環境が整います。