要介護でもサービス付き高齢者向け住宅に入れる?支援度の違いを解説
サービス付き高齢者向け住宅は、高齢の方が快適な生活を送るためのひとつの選択肢です。体の状態により、必要とするサービスが異なるため、要支援、要介護と、対応する施設についての理解しておくことが重要です。この記事では、要支援と要介護についての詳細や、介護度に合わせた入居可能な住宅を紹介しています。ぜひ参考にしてください。
要支援・要介護とは?
要支援や要介護の内容を理解することは、どの高齢者向け住宅に入るかを考えるうえで重要です。要支援と要介護の定義と段階について説明しているので確認していきましょう。要支援は、日常生活を送るうえで一部の支援が必要な状態を指します。
たとえば、入浴や食事の準備などの動作は自分で行えるものの、浴槽の清掃ができない状態です。要支援は要支援1と要支援2に分類され、要支援の段階は介護量が増加する可能性を考慮して判別されます。
要支援1はほぼ自立して生活できる状態であり、要支援2は自力で生活できる範囲が狭まり、一部介護が必要な状態です。要支援は、適切な支援を受けることで、生活の状況を比較的容易に改善できる状態といえるでしょう。
一方、要介護は、日常生活上の基本的な動作ができない状態を指します。たとえば、自分の体を洗うことや、入浴動作ができない状態です。要介護の段階は1から5まで分類されており、歩行が不安定で、一部の介護が必要な状態から、寝たきりで日常生活全般の介助が必要な状態まで、幅広く分けられます。
要支援や要介護の判別により、使えるサービスの種類と頻度が異なります。
たとえば、要支援1の高齢者は、週1回の訪問型サービスと通所型サービスの利用が可能であるのに対し、要介護2の高齢者は、週3回の訪問介護、訪問看護に加え、通所介護、通所リハビリも使用可能です。症状の重い要介護度になるほど、手厚い介護が受けられる体制です。
要支援の方がサービス付き高齢者向け住宅に入るなら「一般型」
サービス付き高齢者向け住宅には、日常生活に問題がない自立状態の方、要支援の方を対象とする「一般型」と、介護が必要な「介護型」があります。要支援の方がサービス付き高齢者向け住宅に入居する際は、一般型を選ぶことが一般的です。
一般型のサービス付き高齢者向け住宅では、安否確認や生活相談などのサービスが提供されます。また、住宅自体もバリアフリーが義務付けられており、高齢者にとって住みやすい環境が整えられています。
夫婦いっしょに同室で入居することも可能な施設もありますが、その場合、夫婦両方が要支援2までの条件があることが一般的です。ただし、入居後に介護度が上がると別室になる可能性もあるため、注意が必要です。
一般型のサービス付き高齢者向け住宅は、要支援の方にとって利便性が高く、生活の安心感を提供してくれる選択肢です。ただし、具体的な入居するための条件は、施設によって違います。入居を検討する際には関連情報を確認し、自身のニーズに合った施設を選びましょう。
要介護の方がサービス付き高齢者向け住宅に入るなら「介護型」
要介護の方がサービス付き高齢者向け住宅に入居する場合は、介護型を選ぶことが適しています。介護型は介護サービスが提供されるため、日常生活を送りながら介護を受けられるのが利点です。一般型のサービス付き高齢者向け住宅では、介護サービスは提供されていません。
必要な場合は、別途介護業者と契約する必要があります。一方、介護型は最初から介護サービスが付いているため、安心感があります。介護職員が24時間常駐している施設や、看護師による医療サービスを受けられる施設も存在するため、よく調べて入所する施設を決定しましょう。
また、一般型では介護度が上がると退去のリスクがあるのに対して、介護型では介護度が上がっても住み続けられるのが大きなメリットです。この点でも将来の介護度上昇が心配な方にとって、介護型は安心感を与えてくれる施設です。
そのため、要介護になる前から介護型を選ぶこともひとつの方法といえるでしょう。ただし、要介護度が4や5のように、常時介護を必要とする状態では、介護型のサービス付き高齢者向け住宅では対応が困難です。
介護型の施設数は多くなく、数が限られているため、要介護4や5の状態での新規入居は難しいでしょう。この場合、有料老人ホームなど他の施設も検討する必要があります。
まとめ
要支援と要介護についての詳細や、介護度に合わせた入居可能な住宅を紹介してきました。要介護でもサービス付き高齢者向け住宅に入居することは可能です。入居の際には、適切な支援度によって一般型か、介護型かを選択しましょう。
介護型のサービス付き高齢者向け住宅は、介護サービスが提供されるため、日常生活が困難な場合でも安心して過ごせます。一方、一般型では介護サービスが付いていないため、介護を求める場合は別途介護業者と契約する必要があります。
介護型のさらなる利点は、介護職員の常駐や看護師による医療サービスがあること、介護度が上がっても住み続けられることです。入居を検討する際に高齢者の介護度を考慮し、適切な支援を受けられるサービス付き高齢者向け住宅を選ぶことが重要です。